もしもキャンプに向かう途中で警察官に職務質問されたら、ナイフを持っているあなたは銃刀法違反になるのでしょうか。
本記事ではアウトドアで使う刃物を法令に当てはめながら、ちょっとややこしい銃刀法、軽犯罪法のアウト・セーフの線引きを解説・まとめてみました(*´∀`*)
もしもキャンプでナイフ持ってたら捕まるの?
結論からいうと・・・
もしもキャンプで警察官に職務質問されたとしても、ほとんどのキャンパーは捕まることはありません。
何故なら、キャンプをする目的でキャンプ場(または野営地)でナイフを持っているからです。
例えば、ハスクバーナの斧・モーラナイフ・オピネルといった刃物を持ってキャンプ場へ向かう道中に警察官に止められて職務質問されたとしても、それらの刃物を持っているということで逮捕されることはありません。
ただし!
フィールドへ向かう道中から気分が高まってしまって、腰にナイフをぶら下げてコンビニに寄って通報されたとしたら・・・
多分アウトでしょうね。。
ここからはアウト、セーフの線引きの根拠となる法律「銃刀法」と「軽犯罪法」について見ていきましょう。
よよいのよい!!
(なんでやねんw)
キャンプでの刃物に関する法律
それではいよいよ堅苦しくて多くの人が避けてきた面倒臭い部分に突入します。
先ほども述べたとおり、キャンプで使う刃物に関係ある法律は「銃刀法」と「軽犯罪法」です。
それぞれの法律を全部見ていくと、めっちゃくちゃ時間がかかってしまうので、必要な部分だけ見ていきましょう!
「銃刀法」のここがポイント!
銃刀法
第二十二条
(刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物の携帯の禁止)
何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが八センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。
これに違反すると、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処せられます。
ポイント① シースナイフは大体該当する
銃刀法では刃長6cmをこえる刃物を携帯することを禁止しています。
キャンプで使うモーラナイフ等のシースナイフは、ほとんどが刃長6cmを超えていますので、銃刀法に照らし合わせるとシースナイフの携帯はNGということになります。
ただし!(↓ポイント②へ続く)
ポイント② キャンプ・釣りで使う為ならOK
「正当な理由がある場合」には、6cmをこえる刃物を携帯することができます。
もちろんキャンプや釣りといったアウトドアで使用する場合は「正当な理由がある場合」に該当するのでOKです。
一部の刃物を除いては・・・(↓ポイント③へ続く)
ポイント③ 両刃のナイフはNG
上側、下側の両方に刃がついていて先の尖った両刃のナイフ(剣)は、原則として所持が禁止されています。
所持自体が禁止されていますので、当然携帯も許されません。
一般的なキャンプで使用するナイフはシースナイフかフォールディングナイフだと思いますが、「両刃は所持もNG」とだけ覚えておきましょう。
「銃刀法」まとめ
シースナイフのような6cmをこえる刃物は基本的に携帯することはNGだけど、キャンプや釣りといった正当な理由があれば携帯することができる
「軽犯罪法」のここがポイント!
軽犯罪法
軽犯罪法 第一条二号
正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者
これに該当すると、拘留(1日〜29日間拘束される)又は、科料(1,000円〜1万円未満罰金)が科されます。
ポイント① ハサミやカッター、十徳ナイフのキーホルダーも該当
銃刀法と違って6cmをこえない刃長のナイフも軽犯罪法では刃物に該当します。
カッターや十徳ナイフも該当するので、当然キャンプで使うナイフはほぼ全て該当してきます。
正確にはこれらを「持っていたら」アウトでななくて「隠し持っていたら」アウトなんですが、この隠し持っているっていうのが「他人から見えない状態で持っていたら」ダメということみたいです。
まぁ、ブンブン振り回しながら歩いていたらそれはそれできっと他の法律で捕まる気がするので、基本アウトドア以外で人に危害を加えられるものは持ち歩かない方がいいってことですね。
ポイント② キャンプ・釣りで使う為ならOK
これは銃刀法と同様、「正当な理由」があれば携帯することができる決まりなので、キャンプや釣りで使う為であればOKです。
しかしどうも曖昧な「正当な理由」ですが、過去の判例等を見てみると「その刃物等を見えないように携帯することが社会通念上相当と認められる場合」が「正当な理由」に該当するそうです。
まぁ・・・この記事見ている人がキャンプや釣り以外でナイフ持ち歩くことはないと思うので、こんなところでご勘弁をm(__)m
ポイント③ 普段からキーホルダーにつけたり、車内に放置はNG
多分我々キャンパー・アングラーが一番気を付けなければならないのは、キャンプでも釣りでもないのにナイフを車に積んだまま放置してしまったり、小さい十徳ナイフをキーホルダーとかカラビラにぶら下げて腰につけてたりすることかなと思います。
この場合は、「正当な理由」がないので軽犯罪法違反で逮捕起訴される可能性があります。
キャンプ後の荷降ろしで降ろし忘れがないように気を付けましょう。
「軽犯罪法」まとめ
人に危害を加えられるような刃物は基本持ってちゃダメだけど、キャンプや釣りのような「正当な理由」があれば携帯しててもOK。
フィールドの行き帰りで身につけてコンビニに寄ったり、フィールドから帰ってからも車に積みっぱなしにして「正当な理由」なき携帯をしないように注意しましょう。
ルールを守って楽しもう
キャンプや釣りで堂々とナイフを使って楽しむために、ルールをしっかり守っていきましょう(*´∀`*)
アウトドアマンの刃物ルール
- 両刃のナイフは所持しない
- キャンプや釣りのような社会通念上「正当な理由」がある場合以外は持ち歩かない
- フィールドに向かう道中テンションが上がってきても、到着するまでは身につけない
- フィールドから帰ってきたら確実に車から降ろす
- フィールドに忘れてこない
- 思い出は心に刻みこむ
さて、魚でも捌こか〜