YouTubeでもよく使われている人気のマイク「RODE VideoMicro」と「TASCAM DR-07X」を、実際に使ってみて「何がどう違うのか」を比較してみました。
これから外部マイクの購入を検討されている方は、どんな撮影・録音スタイルでどんな音を録りたいのかをイメージしながら読み進めて頂くといいと思います(*´∀`*)
基本スペック
オーディオとか機材系って、なかなか文字で見てもわからない人も多いと思いますが、一応大まかなスペックだけ確認しておきましょう。(筆者もそんなに詳しいわけじゃないですが(^^;)
RODE VideoMicro
電源 | プラグインパワー |
---|---|
出力接続 | 3.5mm ミニプラグ |
入力接続 | なし |
対応メモリー | なし |
ハイレゾ対応 | なし |
ローカットフィルター | なし |
ショックマウント | あり |
USB接続 | なし |
TASCAM DR-07X
電源 | 単三電池2本(17.5時間)/ACアダプター/USBバスパワー |
---|---|
出力接続 | PHONES/LINE OUT(ミニプラグ) |
入力接続 | MIC/EXT IN(ミニプラグ) |
対応メモリー | microSD(microSDXC128GBまで対応) |
ハイレゾ対応 | あり |
ローカットフィルター | 40 / 80 / 120Hz |
ショックマウント | なし |
USB接続 | microBタイプ(USB2.0) |
【徹底比較】《RODE VideoMicro》vs《TASCAM DR-07X》
比較①【価格】
- Video Micro:約8,000円
- DR-07X:約14,000円
※本記事執筆時点の市場価格相場より
ウィンドジャマー(風切り音軽減するモフモフしたヤツ。VideoMicroには付属しているがDR-07Xは別売り)を含めて考えれば、大体2倍の価格差があります。
おそらく外部マイクの購入を検討した時に真っ先に候補に上がるのがVideoMicroではないでしょうか。(筆者も一番最初に購入しましたw)
価格も1万円以内で手が出しやすいし、それでカメラ内臓マイクよりもいい音が取れるなら欲しいなぁと思っていたんですが、やはり人気だけあってコスパは最強です。(DR-07Xもハイレゾ録音可能ということを考慮すればめっちゃ安いとは思いますが、、)
DR-07Xを後から追加購入した理由は、集音範囲のこだわりや編集方法の変化によるもので、VideoMicroが劣っていたということでは全くありません。
1万円以内で初めての外部マイクを探しているのであれば、VideoMicroは間違いなくオススメできます。
比較②【単体で録音可能か】
- Video Micro:録音不可
- DR-07X:録音可能
VideoMicroは接続したカメラから給電するプラグインパワーなので、マイク単体で何かをすることはできません。
DR-07Xはもともとハンディレコーダーなので、当然単体で録音することが可能です。
単三電池2本でもモバイルバッテリーに繋いでも駆動するので、もしも電池が切れてもモバイルバッテリーさえ持ち歩いていれば録音できます。
単体で録音できると、例えば環境音だけ別撮りで録音しておいて、編集で本編に重ねて強い臨場感を出すこともできます。
また、カメラから離れた位置にマイクを置いて録音することができるので、カメラの位置から録音するよりもより繊細な音を間近で録音することができます。
個人的には、この2つのマイクの一番の違いはこの「カメラから離して録音できるか否か」だと思っています。
比較③【カメラの外部マイクとして使用できるか】
- VideoMicro:外部マイクがメインの使い方
- DR-07X:できなくはないが・・・
一眼レフ等のカメラに設置して外部マイクとして使用するのであれば、VideoMicroの方がはるかに扱いやすいです。
もともとVideoMicroはカメラ上部のアクセサリーシューに直接設置して使うような作りになっていますが、DR-07Xの方は三脚に取り付ける用のネジ穴が付いているだけです。
VideoMicroはそのままカメラ上部のアクセサリーシューにつけることができますし(α57は古すぎので無理…解決策はこちらの記事を)、ショックマウントが付いているのでカメラに取り付けて持ち歩いても、手でカメラを操作したり歩く振動音等が入りづらいのです。
まさに「ビデオ用のマイクロマイク、ビデオマイクロ」ですね。
もしもDR-07Xをカメラの上に取り付けて使いたいのであれば、まずカメラ本体にネジ付シューのようなものを取り付けてから出ないとカメラへの取り付けはできません。
それからコードを使ってカメラと接続するのですが、これがまたコードの種類とか相性とか色々面倒臭いらしいんですよね。
「抵抗あり」のものが良いとかなんとか。。(カメラとの接続ではなく「iPhone×DR-07X」のコードについての記事はこちら)
まぁもともとショックマウントが付いているVideoMicroと違って、DR-07Xはカメラに触れる音も鮮明に入っちゃうだろうし、不恰好になるし、そもそもそういう使い方するために買ったんじゃないのでDR-07Xは外部マイクとして使用できなくても良いと思っています。
単体で録音した方がセッティングも楽だし音も良いし。
手持ちで撮影するスタイルだったらVideoMicroのようにカメラ上部に付けられるマイクの方が良いと思うし、カメラ固定で繊細な音を撮りたかったりする場合はDR-07Xの方がよりハイレベルな録音が可能です。
要は何をどういうスタイルで撮りたいかってことだと思うんですが、筆者は室内の撮影をするときにはカメラにVideoMicroを付けて使用し、DR-07Xを三脚に乗せて単体録音しています。
基本はDR-07Xの音しか使いませんが、万が一の時はVideoMicroの音を保険として使えるようにしています。
比較④【大きさ・重さ】
Video Micro | 21x21x80mm (幅×高さ×奥行) |
---|---|
42g | |
DR-07X | 68x158x26mm (幅×高さ×奥行) |
127g |
VideoMicroはもともとカメラに着けて使用するマイクなので、当然そのままカメラのアクセサリーシュー(カメラの上にある外部機器を取り付ける部位)に着けて使用することができますし、大きさ、重さもコンパクトでカメラの邪魔になりにくいです。
なので、歩きながら撮影をするにはVideoMicroはコスパ最強クラスなのは間違いないと思います。
DR-07Xの場合は、カメラに取り付ける使い方はむしろイレギュラーで、基本的にはマイク単体で三脚等に固定し、内臓のSDカードに録音するか、カメラとコードで繋いで録音するかのどちらかという使い方になります。
カメラ(上部のアクセサリーシューのとこ)に取り付ける使用方法がメインではないので、サイズも少し大きいですし、ショックマウントなども付いていないので、DR-07Xはカメラに取り付けて歩きながら撮る様なスタイルには不向きで、三脚等に固定しながら繊細な録音をするのに向いています。
比較⑤【集音範囲】
- Video Micro:単一指向性
- DR-07X:可動型単一指向性
意外と広範囲も狙えるVideoMicro
VideoMicroは単一指向性のマイクですが、実際に使ってみるとその範囲は意外と広いように感じます。
↓こんな感じの集音範囲です。
出典:Wikipedia
最初は「単一指向性」という言葉から、「狙った狭い範囲の音を録るんだな」と連想していましたが、実際には上図の様に広い範囲の音を録ることができます。
意外とカメラを持って後ろから喋る分には、距離的にもマイクと近いので結構ちゃんと拾ってくれます。
なので、カメラを持って撮影しながら喋る撮影スタイルの場合は、このVideoMicroの方が使いやすいです。
より狭い範囲を狙えるのはDR-07X
どちらのマイクも同じ様に単一指向性なんですが、DR-07Xの方は2つの単一指向性マイクが可動式になっています。
出典:TASCAM
可動式マイクの向きを外側に向ける(AB方式)か、内側に向ける(XY方式)かで集音範囲を変えることができ、マイクを内側に向けて録音するとVideoMicroよりも狭い範囲の音を録音することが可能です。
手元の撮影などでカメラは固定し、より繊細な音を狙いたい場合はDR-07Xの方が繊細な音が録れます。
比較⑥【ホワイトノイズ】
- Video Micro:ハイパスフィルター無し
- DR-07X:ハイパスフィルター有り
ホワイトノイズに関してはDR-07Xの圧勝です。
理由は、DR-07Xには40/80/120Hzと3段階のハイパスフィルター(低域カットフィルター)機能が付いているからです。
ハイパスフィルター機能とは、指定した周波数よりも下の音を拾わない機能で、風切り音やホワイトノイズを軽減する効果があります。
この機能を試してみる前までは「編集ソフトでノイズ除去したら変わらないっしょ」と思っていたんですが、実際にDR-07Xのハイパスフィルター機能を使ってみると、思ったよりも大きな違いが出ていました。
もちろん動画編集ソフトでノイズ除去もするんですが、やはり編集前の素材のクオリティが違う分、仕上がりも綺麗な音になっている様に感じます。
室内等静かなところで撮影・録音するならDR-07Xの方が満足のいく音が録れるのでオススメです。
比較⑦【聴き比べ】
最後に・・・音質については、結局カタログスペックを見るよりも実際の音を聞いてもらった方が断然説得力があるので、下記音源を聞いていただければm(__)m(イヤホン推奨)
今回はワインを注ぐ音で比較してみました。
それぞれのマイクは対象物からの距離をほぼ同じにして録音しています。
録音環境
- VideoMicro → Manfrottoミニ三脚、Manfrottoスマートフォン用三脚アダプターに装着し、iPhoneXSにて録音
- DR-07X → JOBYゴリラポッドに装着し、内蔵のmicroSDカードに録音(ハイパスフィルターはOFF)
※今回は両方とも机に置いて録音してみましたが、やっぱりショックマウントのついているVideoMicroの方が机の振動は拾いにくかったです。マイクを机に直に置かずにちゃんとした三脚に乗せればいい話なんですが、今回はそこも含めて検証しています。
今回の録音ではイマイチ差が分かり難かったかもしれませんが、もしかしたらVideoMicroを接続したiPhoneの動画機能がノイズ除去してくれている?な感じもありました。(iPhoneホント優秀ですよね!)
DR-07Xのハイパスフィルター機能は敢えてOFFにしたのに(´༎ຶོρ༎ຶོ`)って感じです。。
わかりにくかった方は、今後ちょこちょこ出していくYouTube動画もチェックしてみてくださいm(__)m
概要欄にどの撮影機材使ったのか記載するようにしますので(*´∀`*)
まとめ
値段的にはDR-07Xの方が倍以上も高い分、機能面でもハイレゾ録音が可能だったりするので、音質重視の動画であれば間違いなくDR-07Xを使いたいところです。
USBオーディオインターフェースとして、PCにUSBコードで繋いでテレワークやZOOM飲み会にも使えます(*´∀`*)
VideoMicroにはショックマウントが搭載されていて、カメラへの設置も簡単で邪魔にならないサイズ感なので、Vlogとか野外での手持ち撮影をするにはVideoMicroはコスパ最強のマイクだと思います。
室内で撮影するんだったら100%DR-07Xがメインになりますが、屋外で撮影するならDR-07Xはちょっと面倒だからやっぱりVideoMicroをメインで持っていくかなぁ。
とはいえ、なんだかんだ釣りもキャンプも結局撮影そっちのけで楽しんじゃうから、なかなか撮影したくてもできないんだけどね(笑)