アウトドアは自然相手の遊び。
自然は美しいだけじゃなくて、同時に怖さも知っておかないといけないなぁと思うんです。
先日、野に出てハイジのように駆け回っていた筆者ですが、突然目の前にヤツが現れましたΣ(゚д゚lll)
オレンジ色の混じったカラフルな「動く金運」は、悠々と筆者の前を通り過ぎて行かれました。。
ソッコーで検索!!してわかったのですが、その「動く金運」はヤマカガシというヤツでして、日本全国あっちゃこちゃに生息しているという。。
しかもヤマカガシの毒はマムシやハブよりも強いという。。
ということで、今回はヤマカガシについて調査してみました。
「ヤマカガシ」のスペック
ヤマカガシってこんなヘビ
- 生息地:北海道と一部島しょ部を除く日本各地
- 全長:60cm〜150cm
- 色:関東だと黒と橙の斑紋がある個体が多く、関西だと緑がかっていたり青かったり、地域によって様々
- 活動時間:朝から夕方にかけて活発に活動
- エサ:主にカエル等
- 性格:臆病
- 毒:あり
昔から日本にいるヘビで、主にカエルや小魚を主食としています。
そのため、水田や川の近くに生息していることが多いのです。
そう、アウトドア好きな私達にとってヤマカガシはとても身近な存在なんですね。
でも実は、アウトドアフィールドに限ったことでもないんです。
東京のオフィスビルが立ち並ぶ品川区のHPにも「ヘビを見かけた時の対応」なんていうのが載ってたりするんですよね。
しかもこのヤマカガシ、マムシやハブよりも強い毒を持っているらしい・・・
地域による見た目の違い
出典:ジャパン・スネークセンター
関東・東北地方
・グリーンに黒と橙の斑紋
・下顎や首のあたりが黄色い
出典:ジャパン・スネークセンター
近畿・中国地方
・全体的に緑と茶色の間のような色
・下顎のあたりは黄色くなっている
・うっすらと橙の斑紋が残っている場合もある
出典:ジャパン・スネークセンター
中国・四国地方
・全体的に青みがかっている
・橙の斑紋はほとんど見られない
・白と青(黒)の濃淡の斑紋がある
このように地域によって、個体の色はまるっきり違う種類のように異なるのも特徴です。
「ヤマカガシ」の毒性
ヤマカガシの毒は、なんとマムシの4倍、ハブの10倍とされています。
これは日本にいるヘビの中でもダントツの1位ってことになります。
噛まれた場合の症状としては、激しい頭痛・出血・急性腎不全・最悪の場合数日〜10日ほどで死に至るという、大変恐ろしい毒性を持っています。
噛まれてから数時間〜1日経過後に歯茎や傷からの持続性の出血が見られるそうです。
第1位 ヤマカガシ |
ハブの10倍、マムシの4倍の毒性を持つ日本最恐の毒ヘビ。 しかし臆病な性格から、被害は少ない。北海道を除くどこにでも生息する。 |
第2位 マムシ |
ハブの2〜3倍の毒を持ち、年間3,000人が被害に遭い、そのうち10名ほどが命を落としている日本で一番被害の多いヘビ。気がつかずに踏んだり触ったりすることが噛まれる主な原因。 |
第3位 ハブ |
非常に気性が荒く交戦的。 噛まれるとタンパク質を溶かす毒により血管が破壊され、最悪死に至る。 |
「ヤマカガシ」に噛まれないために
2017年7月に兵庫県伊丹市で小学5年生がヤマカガシに噛まれて、一時意識不明になったというニュースがありました。
本来ヤマカガシはとても臆病な性格の為、自ら攻撃してくるようなことはありません。
このニュースになった小学5年生は、ヤマカガシを捕まえてリュックに入れる時に1度噛まれ、友達に見せようとリュックから取り出そうとした時にもう一度噛まれています。
その通り!
臆病だから自分から逃げていくことがほとんどなんだけど、人間が捕まえようとしたりヤマカガシに危害を加えようとした時に、彼らは防衛本能で攻撃するんだ。
噛まれないためには、むやみにちょっかいを出さないことはもちろん、万が一間違って踏んでしまった時のために長靴を履くことが対策になるんです。
筆者は必ず車に長靴を積んでおり、野営や釣りで足場の悪いところを歩く時は、必ず履いて歩くようにしています。
キャンプ場のようなひらけた場所では、万が一遭遇したとしてもすぐに見つけることができるけど、野営や釣りで藪漕ぎするような場所に立ち入る時には、長靴を着用することをお勧めします。
ヤマカガシの毒牙は奥の方にあって約2mm程の長さしかないから、長靴や厚手のパンツを履いていれば噛まれても毒牙が皮膚を貫通することはまず無くなります。
長靴を履くのはヤマカガシ対策の為だけじゃないぞ!
他にもヒル、マダニ、ツツガムシ、トゲのある植物、そんな危険から筆者の臭い足を守ってくれるんだ!
子供と一緒にファミキャンなどアウトドアに出かける時とかは特に、子供がヘビに興味を持って捕まえようとしたりしないように気をつける必要があります。
特にヘビの主食となるカエルのいるところには必ずヘビもいると思って、カエルを見かけたりカエルの鳴き声を聞いたら十分注意して子供から目を話さないようにしましょう。
もしも「ヤマカガシ」に噛まれてしまったら
ヤマカガシはとても臆病なヘビで、人間が近づくと逃げて行くことがほとんどです。
それでも万が一ヤマカガシに噛まれてしまった時の対処法について調査してみました。
①応急処置
よく映画や漫画で、口で吸い出して「ペッ」ってしてるシーンがあったりしますが、小さな咬み傷から口で毒を吸い出すのは困難なんだとか。
さらに、口内に傷があったりすると、吸い出した毒がその傷から体内に回ってしまう可能性も。
もしヤマカガシに噛まれてしまった時には、すぐにポイズンリムーバーで毒を吸い出しましょう。
ヘビに噛まれたときだけではなく、アブやブヨ、ダニ類など、いろんな毒を持った虫に刺された時にも使えます。
蚊に刺された時に使うと、その後の治りが早いそう。
以前、一緒に釣りに行った仲間がツツガムシにやられて大変なことになったことがきっかけで、アウトドアに行く時には必ず持って行くようにしています!
「ヒロシちゃんねる」のヒロシさんもマダニにやられて以来、常に持ち歩いているようです。
最近では安いものも随分と出回っていますが、数千円ケチっていざという時に壊れてしまって使えないようでは困るので、ちゃんとした実績のあるメーカーのものを選ぶようにしましょう!
②なるべく早く病院へ行く
応急処置で毒を吸い出すと同時に、すぐに救急車を呼んで病院へ行くようにしましょう。
重症となった症例は、ほとんどが噛まれてから数時間経ってから受診した場合です。
噛まれた直後には症状が出なかったとしても、万が一に備えて必ずすぐに病院へ行くようにしてください。
もしも判断に迷った場合は、すぐに下記専門家へ相談しましょう。
毒蛇110番 財団法人 日本蛇族学術研究所 |
0277-78-5193 (咬傷の場合24時間対応) |
大阪中毒110番 公益財団法人 日本中毒情報センター |
072-727-2499 (365日 24時間対応) |
つくば中毒110番 公益財団法人 日本中毒情報センター |
029-852-9999 (365日 9時〜21時対応) |
③ヤマカガシ抗毒素血清を投与する
毒ヘビに噛まれた場合は、その毒に応じた血清を投与することが有効です。
抗毒血清は、毒素自体を破壊するのではなく、毒素を覆い隠して全身に行き渡ることを防ぎ、人間にとって無害なものにするというものです。
ですが、このヤマカガシ抗毒素血清が製造・保管されている場所は、日本で1箇所(群馬県太田市の財団法人日本蛇族研究所(ヘビ研))しかありません。
この血清が手に入るまでに時間がかかることも、ヤマカガシに噛まれると大変なことになる理由の一つです。
マムシの血清を作っているのも同じヘビ研だけで、理由は「儲からないから企業等が撤退したため」だそうな。
マムシなんて年間3,000件以上噛まれている人がいるのに。
出典:科学研究費助成事業データベース
科学研究費助成事業データベースによれば、最近やっとお金を割いて新たな研究が行われているようですが、現状はまだまだヘビ研だけに頼っている状況みたいですね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
キャンプや釣りは自然が相手。
自然に対する知識や備えなしに気軽にはじめられるようになった今だからこそ、しっかりと自然を理解し畏れ敬う気持ちをもつ必要があると思うんです。
ゴミは持ち帰る、夜中に大きな音は出さない等の人間のルールはもちろん、自然界で遊ぶには自然界のルールを守って、楽しいアウトドアライフを満喫したいですよね!
ちなみに筆者が遭遇したヤマカガシは親指ほどの太さで、スイスイと道路を渡って草むらに入って行きましたとさ。
その時とっさに撮った写真がコレだ!
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!